「走って足の筋肉が固くなったのが、胃が悪化した原因だという仮説を思いついたので、1ヶ月ほど、重たいものは絶対に持たないように、歩くのも最低必要限にして、できる限り足の筋肉に負担をかけないようにして暮らしてみました。」

「胃は良くなったのですか」と町会長。

「足が少し細くなったような気がしましたが、筋肉の状態も、胃の状態もよくなりませんでした。」

「仮説が間違っていたのですね」と町会長。

「間違いとまでは言えないのですが、少し、考えが足りなかったのです。」

「『考えが足りなかった』と言いますと?」と町会長。

「先ほどの仮説に、『運動は筋肉を痛めるので体に悪い。しかし、骨折して回復すると、骨が太くなって強くなるように、筋肉も回復過程が伴えば、しっかりした柔らかい筋肉になる。しかし、筋肉が硬くなった状態で運動をすると、痛めるだけで回復しない。硬くなった筋肉でも回復可能な、最低必要限の運動をすれば、筋肉は徐々によくなる』という仮説を付け加えたのです。」

「なるほど。胃が弱って栄養が十分摂れない状態で、走ってはいけないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。足だけでなく、腕の筋肉も固くなっていたので、体重をかけないように壁に向かって腕立て伏せをできる限りゆっくりしてみました。無理な力が腕に掛からないようにチェックするため、目をつぶって腕の筋肉に注意を集中してやってみました。」

「なるほど」と町会長。

「運動はアイソメトリクスのようなものより、酸素負荷を要求するインターバルトレーニング的なものの方が効果が高いし、筋肉に溜まった老廃物を取るのにも役立つと思いました。それで、腕立て伏せを何回かして腕に酸素負荷をかけることが必要だと考えました。」

「筋力をつけるのではなく、持久力をつける運動が必要だと思ったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、回数が多すぎると、筋肉に負担がかかりすぎるという結果になるかもしれないとも考えました。」

「体力が低下していると、運動をするときに、微妙なさじ加減が必要ということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。試しに、1日10回壁に向かって腕立て伏せをやってみることにしました。」

「肝心の足の方は、どういう対策をしたのですか」と町会長。

「足の筋肉に対しても同様に、スクワットを10回することにしたのです。」

「それで、結果は、どうなったのですか」と町会長。

「 1週間もすると腕の筋肉は劇的に柔らかくなり、肩こりもなくなりました。特筆すべきこととしては、夜遅くなっても、全く疲れを感じなくなったということがあります。」

「修正した仮説が正しかったのですね」と町会長。

「一応そういう結果になったのですが、足の方は、ほとんど変わらず、胃の状態も悪くはないが、消化の悪いものは食べられない状態でした。」

「それは不思議ですね。腕が緩むと体力が上がるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/3/5

<水道後記3>
立水栓が我が家には2つある。聴音棒があやしいと思った時、両方とも40センチほどの深さで、1メートルほど掘った。これは、全くの素人にとって、水道工事に関する情報を得る貴重な機会でもあった。

下水道料金が1万円を超えるようになってから夜の間は元栓を閉めるようにしていたのだが、そのうち元栓がきちっと締まらなくなり、3年ほど前、下水道料金が2ヶ月で5万円ほどになった。しかし、聴音棒で一儲けしようとした知り合いの業者は、元栓の修理はできないと言った。失敗して水が止まらなくなった場合を考えると、怖くてできないということだ。<続く>

2024/2/22